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アマチュア無線

方向性結合器 (CM-INZ6) の特性の測定

ヤフオクで3,000円で入手した、方向性結合器の特性を NanoVNA で測定してみました。

NEW DIRECTIONAL COUPLER / DETECTOR
MODEL NO. CM-INZ6
FREQ 50MHz ~ 1500MHz
POWER (MAX) 450MHz – 200W
TOKO DENSHI CORP

東光電子製の方向性結合器で、2002年製のようです。

入出力端子はN型コネクター、結合ポート (Coupled Port)・分離ポート (Isolated Port) はBNC型コネクタの、双方向検出可能な方向性結合器です。

さて、この方向性結合器の特性を測定するために、NanoVNA を用いて S21 測定を行ってみます。

配線は上記写真の通りですが、NanoVNA の CH0 ポートを方向性結合器の入力端子 (どちらでも構いませんが、今回は左側を入力とします) に接続、出力端子は 50Ω のダミーロードで終端します。
また、NanoVNA の CH1 ポートを方向性結合器の結合ポート (この場合は上側のポートが結合ポートになります) に接続します。

NanoVNA の測定は、もちろん端末の液晶を使って可能ですが、今回は cho45 氏が製作・公開されているウェブブラウザから利用できる、NanoVNA の可視化ツールを利用します。

https://cho45.stfuawsc.com/NanoVNA

ウェブブラウザからシリアルポートを利用できる Web Serial API を利用して実現されているため、ブラウザは Google Chrome や Microsoft Edge を利用する必要があります。
NanoVNA を USB ケーブルでパソコンに接続し、画面右上の Connect から接続します。

それでは、筐体に記載の通り 50MHz – 1500MHz の特性を見てみます。
以下キャプチャは、緑:CH1 LOGMAG、黄:CH0 SWR、です。

50MHz – 1500MHz

50MHz – 1500MHz / 50Ω 終端

50MHz – 1500MHz / 終端開放

結合度は、50MHz -55dB、144MHz -47dB、430MHz -38dB、1200MHz -30dB のような感じです。
おおよそ、-40 ~ -50dB ぐらいと方向性結合器として使いやすい結合度になっているかと思います。

周波数が高くなるほど結合度が上がる特性があるようです。
これに関しては、おそらく Bird の Thruline (Bird 43 等) と構造的に似ており、低い周波数での結合度が低いのは仕方のないことでしょう。 (Bird 43 は HF の小電力を計測するのに向いた機械ではありません)

参考:Bird 43 のエレメントの構造は、以下のサイトに分解写真があります。
https://www.repeater-builder.com/projects/bird-element-tour/bird-element-tour.html
低い周波数のエレメントは、感度の低さを補うためにセンシングループが複数巻になっています。

1MHz – 50MHz

筐体に記載された特性の範囲外ではありますが、アマチュア無線の HF ではどうかも見てみます。

1MHz – 50MHz / 50Ω 終端

1MHz – 50MHz / 終端開放

7MHz で -70dB、そこから周波数が上がるにつれて結合度が上がり -60dB になっていくような特性でした。
3.5MHz 以下のバンドは結合度が低すぎて利用するのは現実的ではなさそうですね。

HF では入力電力がある程度あるのであればですが、入力 200W までですし (450MHz の時の耐電力のため、HF で上がるのか下がるのかは不明) -70dB は流石に厳しいかもしれません。

以上、簡易的ではありますが、方向性結合器を NanoVNA で測定してみた結果でした。


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